更新日 : 2023年02月24日
小平のお雑煮(ぞうに)は、しょうゆ味なんだよ。おもちは四角で、焼いたり、焼かなかったり。それから自分ちの畑の大根やにんじん、里芋、小松菜なんかを入れるんだよ。
おもちは陸稲(おかぼ)のもちだったの。小平は水が不自由で、田んぼがほとんどなくてね。陸稲っていって畑で育つ稲を植えていたんだよ。陸稲の米は、田んぼの米に比べて、ぱさぱさして粘りけが少ないの。だからもちをついても、あんまり伸びなくて、今のようには、おいしくなかったね。
それでも、おもちはごちそうだったんだよ。もち米は、ごはんに炊くうるち米より、とれる量が少ないから、それだけぜいたくだったんだね。だからお正月にしか食べられないお雑煮は、本当にごちそうだったの。
ごちそうといえば、白いごはんもごちそうだったの。白いごはんは月に1・2回しか食べられなくて、ふだんはお米に大麦を混ぜて食べていたでしょ。それも大麦の方が多いくらいだから、ぽろぽろのごはんだったよ。
お正月になると、朝はお雑煮で、昼は真っ白なごはんを食べられるんだから、とても楽しみだったの。
(協力)小平民話の会
たまろくめぐり
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