更新日 : 2023年02月24日
秋津の村人が豊作を祈るため上州の榛名神社にお参りした。
下山の途中、青や赤の人影らしい者が動いているのが見え、よくよく見ると太鼓を背負い虎のふんどしをつけた鬼たちで、盛んに氷を俵に詰めていた。
そして村人に
「この氷の俵を高い空から雷と一緒に地上に降らすのだ。すると凍りは雹になって農作物に損害を与える。人間どもの驚き、悲しむ姿が見られるから、それが楽しみだ。」という。
村人は驚いたが何げない様子で別の鬼にたずねた。
「雹の被害を防ぐにはどうしたらよいですか。」
「榛名神社の嵐よけのお札を立てておきな。その畑には雹が降らないようにするから。」
と、教えてくれた。
村人たちは榛名神社にかけ戻り、「嵐よけのお札」を田畑の数だけいただき村に帰った。鬼に教えられたとおり、毎年新しい竹の先にお札をはさんで畑に立て、雹害から作物を守ることを祈願した。
榛名神社の嵐よけのお札は今も秋津の畑に立っている。
「東村山の四方山話」より(東村山郷土研究会:平成16年発行)
たまろくめぐり
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