更新日 : 2023年02月24日
昔、中里の村に急な坂道がありました。
坂の途中には「三島大六天」という神様を祭った石塔があります。「三島大六天」という神様は大変おこりんぼで、なにより人が転ぶと腹を立てていました。そのため、この坂で転んだ人は必ず神様のばちがあたりました。
そんなある日遠くからせとものを売りに来た商人も馬をつれてこの坂道を通りかかりました。
商人も神様のうわさを知っていたので、ゆっくりとあるいていましたが、振り返って馬に声をかけたとたん転んでしまいました。商人は「神様のばちがあたってせとものがこわれてしまう」と思い、ふところから一文取り出して神様に供えました。
そして「ばちがあたりませんように」とお願したところ、ばちがあたるどころかその日せとものはすっかり売れていったのです。
そのうわさは村中に広まり、この坂で転んだ人はすぐに神様に一文供えて「どうぞばちがあたりませんように」とお願するようになりました。それからというもの、この坂道は「一文坂」と呼ばれるようになったそうです。
小金井街道の中里交差点から、柳瀬川通りの東に向かってすぐ左に、清瀬橋へ下る坂がこの「一文坂」です。
(参考:清瀬市郷土博物館叢書)
現在は緩やかで歩きやすい「一文坂」
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