更新日 : 2023年02月01日
昔、清瀬の下宿にたいへん働き者の村のお百姓さんがおりました。
いつものように疲れて家に帰る途中、のどが渇いたお百姓さんは、村の外れの泉へ向かいました。この泉はどんな日照りのときでも枯れず、こんこんと水がわき出ているのです。
泉についたお百姓さんは水を手ですくい、一口飲んで思わず叫びました。なんとその水はお酒だったのです。
喜んだお百姓さんは毎晩毎晩ほろ酔いきげんで家へ帰るようになりました。いつも酒に酔って帰ってくるのを見た息子は、ある夜父親の後をこっそりつけてみることにしました。
すると父親は清水の水を飲んで酔っ払っていました。不思議に思った息子は、清水の水を飲んでみましたが、ただの水だったそうです。
親が飲むと酒だが、子がのむとただの清水だといううわさが村中に広まり、それからというものこの清水を「こ(子)はしみず(清水)」というようになったそうです。
この清水は現在のJR武蔵野線が敷設された昭和四十八年まで実在しており、整理前の住居標示も清戸下宿字清水(現・旭が丘六丁目付近)でした。
池の縁には太い杉が2本あり、切ろうとすると血を流すと言われていました。鉄道が敷設された際に切られ、製材されたものが円通寺の客殿の天井となって甦っています。
(参考:清瀬市郷土博物館叢書)
泉があった旭が丘六丁目周辺。大人には夢のような話です。
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